人の進化は、まるで進んでいないかのように見えて、突然ステップを踏みます。大きなステップを踏む前は、止まってしまったか、後退してしまったかのように見えるのです。どの子も、時間やステップの大きさに差はありますが、必ず進化します。
相手を潰してしまう指導者は、ステップを踏む期待感を持てません。指導方法にこだわって、子供がどの段階にいるのか分けて観ようとはしません。
「出来る」「出来ない」の二段階にしか分けることが出来ない無能な指導者にあたった子供は、今すぐ結果を出さなければ、自分はダメな人間であると決め込んで、出来ない理由は外に求めようとするでしょう。追い込まれたら、塾が悪いか、学校が悪いか、誰かのせいにしないと、逃げ場がないからです。子供たちが挫折せず、まず何かを継続できる力を養うには、正解と不正解の間の小さな変化に敏感であることです。
私は多くの子を見てきて思うのですが、単純だと思い込んでいたことほど、伝えることが難しいということです。
足し算や引き算を暗記してしまった子供は、そこに十進法が存在していることを、知らないのです。数字を大きさで見ているのではなく、記号で見ているのです。彼らはドリルをすべて正解しているので、しばらく気づかないケースが多いのです。よく「文章題が苦手ですと」一般には、読解力のなさを問題にしますが、本当は数の世界に入る段階で、違う方法を覚えてしまった子が多いと思います。
数の世界に入る段階っていつでしょうか。三歳とか四歳とかの幼児の時期です。その時期に量の感覚を身につけなかったのです。
この状況に陥る子供たちは、非常に熱心な家庭か、まったく見ない放置状態かどちらかに多くみられました。
双子の子供の片方にそのような状態になってしまう場合もよく見かけました。どうしても手がかかってしまうために、一人がテレビやビデオをずっとみているようなケース状態であったりしました。
熱心な場合は、早くからドリルをたくさん買ってきて、段階を踏まずに足し算や引き算を覚えさせてしまうケースです。幼児期には、なんでも覚えてしまうので暗記するのも早いです。
数を記号として捉えてしまった子をどうすれば、量の世界に戻せるかは、量を認識できるような環境をたくさんつくってあげる必要があります。しかし、そこにもっと大きな問題があります。正解することが絶対であるという意識が根強く張り付いているからです。覚えたものを吐き出す癖がついているのです。覚えては吐き出して、記憶したものがなくなる恐怖を味わうのは、記憶量に限界がくるもっと先、十年後くらいで、自分自身が気づいてくるはずです。もちろん、ずっと先まで数を量として捉えていない状態であるわけではありません。途中で改善しますが、正解するための丸暗記は癖となってこびり付いているのです。
一つのことが出来る能力は、他のことも出来ます。一つの事でついた悪い癖は他のことにも、同じ影響を与えます。
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