「最近の子はこんな風なんですよね」とある講師が口にしているのを聞いて、まだ二十代の彼女の口からでた言葉に違和感を覚えました。
彼女は、子供たちが、画像処理を使って多くのことを覚えていることを指して、そのように表現したのですが、私には彼女も含め、自分自身も無意識に子供たちと同じ行動をとっていることも思い出せないだけなのではないかと思えるのです。私は何度も引っ越ししていますが、かなり意識するまでは、職場から家に戻る方向を間違えていました。しかし今は、引っ越す前の道を思い出せなくなっています。
いったん無意識癖となって入った癖は、意識して治そうと決めないと変えることは、とても難しいことだと思います。
例えば、小さいころから英会話レッスンに通っている子が、単語を音で覚えているため、読んだり書いたりは出来ないと言い張ったりします。彼らは、音の聞き分けの能力が高いし、聞いたままリピートして覚えることは得意ですが、単語の綴りを覚えることは難しいと思う子が非常に多くなります。聞いて単語を発音できるのですから、綴りは必要ないと脳がいったん決めると、綴りの先頭の文字くらいは見ていますが、あとは見ていないのです。
幼児だから、楽しいレッスンであれば良いと考えるのは、大人の固定観念です。三歳の子にアルファベットを見せて発音を繰り返し聞かせても、そのアルファベットがどんな形をしているのか、はっきり分けて見せなければ、いつまでたっても26文字ある綴りの区別も、音の区別もつかず、永遠に進歩がありません。彼らに、初めから文字の形の違いを意識させながら、発音を入れていけば、すべて覚えることが出来るのです。全体像を見せて、そこからフォーカスして気づかせていけば、その子が持つ無限の可能性を引き出す時間が得られるのです。
「あいうえお」を覚えるのに、全部のひらがなを見せて形の違いに気づかせることをせず、書く練習を一字ずつやったとすれば、似た文字を区別することが出来ない時間が増えます。このように、幼児の時期に間違った環境に入れて、彼らの能力が低いと決め込んでいることに、大人は気づけないことがほとんどです。
小学校時代の算数の問題は、同じ形式の問題ばかりをやり続けることで、必要なことは考えなくても、正解してしまいます。同じ位の少数どうしの掛け算ばかりやっていると、少数の位置は、後ろから二つ目に打てば良いと思い込んだりします。教えている側はそんなことは言った覚えもないことです。同じ道ばかり通ったら、違うルートは使うことが難しい脳へと偏ってしまうのです。子供たちは、能力ではなく与えられた環境によって違う感覚に陥っているのです。
目の前の人間が何かに躓いて出来なかった時、出来ていなかった無意識の時代を思いだそうとしたり、相手がどのように感じているかを、出来る限り感じ取るようにしたとき、解決できる道があることを、リーダーは気づくべきなのです。
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