新しく生徒が来たとき、その子がどのくらいの成績であるかの情報を得て、もしその成績が非常に悪かったとすれば、当然のこととして大抵の塾では基本の問題に戻してスタートするでしょう。今習っている単元を、そのままやることは少ないかもしれません。どんなにお母さんが成績を上げてくれといっても、基本に戻すのが普通でしょう。入塾テストなるものを行って成績で判定することもあるでしょう。よくあるのが、入塾テストの出来ていなかったところから、スタートさせたりするかもしれません。もしかしたら、成績が悪いと入学出来ない塾もあるようです。私は過去、その子の学年よりも下の簡単な問題に戻しても、その子が驚くような変化をするのをみたことがありません。またレベルの低い問題ばかりを集めても同様でした。
私は、その子が今学校でもらっている評価が、その子の評価であるとも思わないし、また仮に入塾するときに,どの程度、理解しているかテストをしたとしても、彼ら彼女らの能力が低いとは考えません。逆にそのテストがとても良くできていても理解しているとは、限らないとも思います。私が子供たちに求めるものは、将来、社会に役立つ力だからです。
「先生。それはさっき書いたよ」と英単語動詞の練習をしていた生徒が、私に言いました。彼が手に持っていたのは、過去形で書かれた動詞200枚です。私が現在形を一緒に口に出して、過去形も同時に練習するように言うと、彼は、その練習はさっきしたというわけです。私は「ノートに書くのではなく、君の頭に書いてほしい」と話すと、再び言われたとおり、現在形と過去形を練習し始めました。案の定、結構な時間を要して書けない単語がいくつも出てきました。1時間に200枚を練習するわけですから、そんなに簡単に憶えられるものではないのですが、実際にはそれくらいの事は、集中していれば物凄く特別な能力を必要とせずに、出来てしまう子をたくさん観ています。
始めから「できない」と言い張る子が、どうやって持っている力を引き出すかという、講師の心構えがとても重要です。やらないで出来ないという子、口に出しても、意識して読もうとしていない子は、長い間にその思考が癖となって張り付いています。人間の誰もがもっている性質で、出来るだけやらないでおきたい、楽がしたいと思っているのでしょう。
「先生。それはさっき書いたよ」という言葉の裏には、おまえが「やれ」と言ったことには答えたのに、なんでまだやれというのだという、外側に向けたものです。もう一度、英単語を覚えているかどうか確かめながら、書き出したときには、やはりまだ憶えていないものがあることを自分で内側の声に耳を傾けながら、やらざるを得ません。この子が自分の内側を覗いて動けるようになるには、まだまだ時間が掛かります。英単語を覚えていようが、憶え切れていなかろうが、そんなことよりも、自分の内側に注目して、動く時間をどれだけたくさん作れるかと言うことが重要な事なのです。
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