私たちは、とても長い間、基本概念が理解できていない事象を発見した時、もう一度基本問題に戻って、説明すれば相手は法則を理解すると思っていました。そして、何度も基本問題を繰り返しやれば、次のステップの応用問題を解けると考えていました。
また、もっと初期の段階では、もっとレベルを下げて、同じ形の問題を繰り返しやれば、基本を理解すると考えていました。これは、勿論何度も書き続けていますが、細かく分けられて繋がりの無い基本練習の繰り返しは、物事を単一にしか見ることの出来ない癖をつけてしまうため危険だということが、わかってきました。例えば、小学校二年生で分数とは何かを学び、小学校三年生になって、一年後のほぼ同じ時期に分数の足し算をやり、また一年後には通分の問題をやる。さらに一年後には分数の掛け算や割り算をやるというような、細分化された状態では、そこに法則性を見出すことよりも、その一つ一つが、単独にあまりにも単純であるために、繋がりがなくても、やり方を無意識に覚えられてしまうのです。このため、私たちはこの危険を冒さないために、繋がりを持った内容をつなげて縦のループをスピーディーに伝えることにしてきました。
このような練習をつむと、確かに今までよりも、範囲の広い問題を解けるようになります。しかしだからといって、問題の種類を変えたときに、あらゆる方向から思考して解くことが出来るように、簡単になるわけではありません。このような応用できる思考へ喚起するには、何度も基本の縦のループの練習を積んだ後、応用問題に取り組むことで、基本のルーチンに含まれる法則を腑に落とすタイミングを喚起することです。
人を育てるために、多くの時間を使って、ある長いスパンで物事を伝えたにも関わらず、一つのミスから、相手が何も理解していないと判断して、基本の位置に戻して無駄な時間を使うことです。
人が何かを腑に落とすまでは、その動きは外から見ると、まるで分かっていないかのようなとても不可思議な動きになります。何か新しい法則を身に付けるために次のステップを踏ませようと促した時、今まで出来ていたことまで、ミスするようになります。しかしそれは、いままで出来ていたように一見みえていただけで、実際には腑に落ちていなかったことが、表面に出てきているだけで、本人も気づいていない場合が多いのです。レベルを戻さなければ、次の段階に進めないという固定観念を打破するのはとても難しいことでしょう。ほとんどの場合、テストの解答の仕方を一つだけ見て、まったく理解していないと考えてレベルを下げてしまいます。
例えば、方程式を小学校六年生の子どもに指導するとしましょう。普通は中学に入ってからしか教えない内容も含めて小数や分数の方程式の基本の解き方を伝えます。実際には基本のルールを腑に落とすには、入試問題をトライするようなタイミングでしかおきないのです。これを危険とほとんどの人間が考えるでしょう。
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