人に物事を伝えようとした時、誰でも、なるたけ丁寧に相手に伝えようとするはずです。ところが、この「出来るだけ丁寧に」ということが、子どもたちの自立ということを考えた時、丁寧さには、二種類あると考えられます。一つは自分自身が、相手に徹底的に働きかける丁寧さと、もう一方は、自分が働きかけながら、相手を動かそうとする丁寧さに分けることが出来ると思います。目的を相手の自立と考えたら、当然、後者を行うべきでしょう。ところが、多くの人が中庸ということが出来ないため、思いっきり手をかけすぎるか、まったく手をかけないかのどちらかになるのです。
私がこの長い年月、困ってきた多くの事例は、ほとんどの場合、親子の間でこのバランスが崩れてしまって、物を買って動かそうとする取引が始まるとか、最終的には威嚇による強制が始まってしまった子どもたちです。
子どもたちの学力が下がったということが、問題になっていますが、子どもたちの能力は、生まれた時に決まっているのではなく、子どもたちの置かれた環境によって、その能力は、いかようにもなると確信しています。
言い訳になってしまうことをあえて言わなければなりませんが、学校と家庭の関係が良好であれば、塾などはいらないのだと思います。では、今私があえてマザーアップルズは塾として何をしなければならないかと考えた時、せっかくある優秀な能力を社会に役立つ子どもたちに育てることを目的に考えた塾であるべきだと感じます。
子どもたちに丁寧に働きかけるということは、絶対に必要です。しかしそこには、彼らの気づきを喚起する立場であることを根底に置いた働きかけでなければならないということです。
相手のことに熱心であるということの中に、無意識に相手を自分の思い通りに動かしたいという要求の心があることを気づかずに、すべてにおいて口出ししてしまうことが良くあります。
一見、とても熱心な対応をしているのに、子どもはまったく聞いておらず、先生だけが必死にしゃべっている様子をよく見かけます。子どもたちは、一瞬にして、相手の心のありかを感じるすばらしい感性を持っています。
子どもたちは、相手を思い通りに動かしたいという心をもっている相手には、いかにその場を逃れることが出来るか、天才的に態度を使い分けることが出来ます。無意識にその方法を使い分けることが出来るのです。まさしく弱者の智恵といえるでしょう。
小学校低学年の子であれば「たすの」「ひくの」と質問したり、先生の顔色で答えを決めたりします。まるで質問しているかのようですが、全部答えを導き出して、その場を逃れようとしています。このような子を見ると、大抵はこの子はもっと丁寧に働きかけて、理解させなければいけないと思い込み、相手を動かすのではなく、言葉でやり込めてしまおうとするのです。解決方法は、その場の自己満足をするために、多くの言葉を投げかけ、最後は相手の能力が低いと決め付けてしまう悪いルーチンから早く抜け出る必要があることに気づかなければなりません。
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