人に物事を伝えるためには、基本概念によって目的地までのアバウトな縦のループを作るように心がけることが必要です。ここで気をつけなければいけないことは、縦に作るアバウトなループを作るためには、目的地までの距離感覚に敏感にならなければいけないということです。最終の目的地が何で、途中までの中継目的地点の何箇所かにめどをつけておくこと、一番身近な中継地点が何であるかを決めることです。
その一番身近な中継地点に行くための、細かい諸条件を出しながら、目の前の確実なポイントへ行く準備をすることです。準備時間と、その確実にいけるポイントまでを、できるだけスピーディーに相手を連れて行く必要があります。
このとき注意すべきことは、相手が途中混乱することで、こちらが揺れないことです。相手が混乱していることに気をとらわれず、どのあたりで混乱しているかを感じ取ることに意識を集中し、決めたポイントまで連れて行くことです。身近なポイントまできて、見た目は混乱していないようにこちらが感じたとしても、実際は基本概念によってつなげていないことがほとんどです。
人間が伝えられたことを腑に落とすまでには、聞いたことを自分自身が反芻(はんすう)して感じる時間が必要です。与えられた課題に対して、子どもたち自身が知りたいという心を芽生えさせる必要があるのです。もし、距離がとても短かかったり、決めたポイントまで中断しながら連れて行かれたとき、彼らの知ろうとする欲求が途絶えてしまうのです。欲求の原動力となる、途中の混乱は必要不可欠なのです。
ほとんどの場合、この距離感覚をとても短く取ってしまいます。相手が混乱したとき不安になるのは、相手に責任が取れないからでしょう。出来るだけ丁寧に、混乱しない短いポイントまでだけ連れて行き、繰り返し練習させておくと、目の前にいる子どもは、文句も言わずに機械作業をするだけです。しかし、それによって指導する側は、目の前の不安を解消できますが、相手の理解は得ることは出来ず、すぐに忘れてしまうでしょう。
例えば、中学生の中に、分数計算が苦手な生徒を多く見かけます。簡単な計算はできるのに分数が混ざった方程式や、文字式になると、解き方が分からないのです。分数は小学校の教科書では、二年生から六年生まで、細かく分割して教えています。
教室では、分数と小数との関係や、ピザやケーキなど、身近な環境における基本概念を伝えながら、最小公倍数、通分、分数の足し算、引き算、掛け算、割り算までを、幾つかの中継地点を設けながら、一連のつながりとして、まとめて教えていきます。このとき、ほとんどの子が、途中で解き方が混ざったり、機械的に解いていくため、分数の概念をおいてきたりします。
しかし縦のループを強固なものにするためには、ループごとに確認のテストを行い、自分自身が法則を使っていなかったことを、自分で感じ、自分で繋げたいと感じる必要があるのです。
|
マザーアップルズ<NEWS/正しい間違い/素直な気質を育む/意志の方向/感性を磨く/無意識行動/解決方法/歩み/関係性の病>
<幼児/未就学児童/小学生/中学生/高校生/刈谷/高浜/安城/碧南/半田/東浦/刈谷市/高浜市/安城市/碧南市/半田市/知多郡東浦町>